理事長挨拶

理事長 吉田 一成
慶應義塾大学医学部脳神経外科

日本頭蓋底外科学会は、平成元年、頭蓋底外科学会としましては、世界に先駆けて設立されました。頭蓋底を形成する骨内には、脳の下面に位置し、脊髄、脳神経、動脈、静脈などが走行し、三半規管、聴覚器官、眼窩、顎関節などの構造物があり、近傍には、耳下腺や、副鼻腔、上咽頭などが存在します。それぞれを、脳神経外科、耳鼻咽喉科・頭頚部外科、形成外科、口腔外科などが扱っておりますが、疾患によっては、複数の診療科の協力が必要です。現在、日本専門医機構が、各診療科におけます専門委制度の見直しを行っており、平成30年度から、新しい専門委制度による、後期臨床研修が始まります。頭蓋底外科という診療科はございませんし、頭蓋的外科の専門医制度もありません。しかしながら、頭蓋底外科は、複数の診療科の専門的知識、技術を必要とする領域であり、頭蓋底外科学会は、脳神経外科、耳鼻咽喉科・頭頚部外科、形成外科など、多診療科が集い、専門領域の知識の交換や討論の場としての学際的な学会として発展して参りました。最近では、Microsurgeryに加え、Endoscopic surgeryも頭蓋底外科の重要なmodalityとなってきました。近年、画像診断の進歩は目を見張るものがあり、正確な術前診断や、術前・術中支援が可能となってきました。また、定位放射線治療を含む様々な放射線治療や化学療法の進歩もあって、頭蓋底領域の疾患の適切な治療には、様々な専門領域の知識が必要とされます。本学会は今後も、複数の領域の専門家が集う学会として、頭蓋底という極めて複雑かつ、重要な構造物のある領域の疾患の外科的治療の進歩に貢献して参ります。

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